【概要】
①法人について破産手続が開始される。
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②破産手続中に法人所有の不動産が低廉であったり、古い担保権が付着している等によって換価が困難なため破産管財人が裁判所の許可を得て破産財団から除外する。(破産法第78条2項12号)
これにより当該不動産は自由財産となり法人は自由に処分できる。
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③破産手続が終結する。
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④上記の不動産を買いたい人が現れたので名義変更登記を行いたい。
【問題】
③の段階で法人登記は裁判所の嘱託により閉鎖されている。(破産法第257条、商業登記規則第117条)
登記手続きの売主必要書類として、代表清算人の法人印鑑証明と資格証明書(会社法人等番号)が必要であるが、法人登記の復活と清算人選任登記はどのように行えばよいのか?
ちなみに清算人は利害関係人(通常、買主、元清算人、破産管財人等が該当すると思われる)の請求により裁判所が選任審判を行います。(会社法第478条1項2号)
【答え】
清算人選任登記申請をそのまま行えば、登記官の職権により登記記録は復活する。
【比較】
清算結了した法人に残余財産があった場合などは錯誤による登記記録の復活を「申請」する。
なお清算人「変更」登記にあたる(「最初の清算人選任登記」ではない)ため
「登記の事由」 清算人の変更
「登記すべき事項」 年月日清算人の就任
「登録免許税」 金6000円(登録免許税法別表 二十四(四)ロ)
となります。