相続による遺産の承継業務のため喜入市へ
まずは喜入に存在する被相続人の生前の住宅をどうするか探るべく現地調査です。
本件の依頼人は多忙を極めるため、相続手続きのすべて全権委任でご依頼いただいております。
ついでに喜入支店の金融機関で被相続人の預金解約手続きを行います。
途中、道の駅喜入で昼食です。
春休み中で子供が弁当なのでついでにつくってもらってます。
次に鹿児島市役所で各種相続手続きを代理で行います。
時期的に大変混雑してしました。
手続の内容としては、
国民健康保険加入者の葬祭費支給申請
高額療養費支給申請
国保税還付金申請
後期高齢者医療保険還付金申請
未支給年金の請求申請
相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告
市営墓地使用者変更届
水道高熱の使用停止
自動車の名義書き換え
など多岐にわたります。
漏れがなよう慎重に進めます。
引き続き完了まで継続して行っていきます。
当事務所はの専門家2名の体制で鹿児島市を中心に幅広く対応しております。
相続手続きなどお気軽にご相談ください。
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第1 秘匿制度及び供託命令の概要
1 秘匿制度について
(1) 秘匿決定
民事訴訟手続きにおいて申立て等をする者又はその法定代理人の住所、居所その他通常所在する場所又は氏名その他当該者を特定するに足りる事項の全部又は一部が相手方当事者に知られることによって当該申立人等が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることにつき疎明があった場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、住所等又は氏名等の全部又は一部を秘匿する旨の裁判(以下「秘匿決定」という。)をすることができます(民事訴訟法第133条第1項)。
(2) 代替事項の定め
裁判所は、秘匿決定をする場合には、当該秘匿決定において、当該秘匿決定の対象となった申立人等(以下「秘匿対象者」という。)の住所又は氏名に代わる事項(以下「代替事項」という。)を定めなければなりません(民事訴訟法第133条第5項前段)。この場合において、当該代替事項を当該事件並びにその事件についての反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する手続において記載したときは、民事訴訟法その他の法令の規定の適用については、当該秘匿対象者の住所又は氏名を記載したものとみなされます(同項後段)。
(3) 他の法律における準用
(1)及び(2)の各規定は、民事訴訟手続以外の民事裁判手続(民事執行手続、民事保全手続等)においても準用されます(民事執行法(昭和54年法律第4号)第20条、民事保全法(平成元年法律第91号)第7条等)。
詳しくは前回ブログを参照下さい。
今回は不随する供託手続きについてです。
2 供託命令について
次の(1)又は(2)のいずれかに掲げる場合には、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、差押えに係る金銭債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託すべきことを第三債務者に命ずる命令を発することができます(民事執行法第161条の2)。第三債務者は、当該命令の送達を受けたときは、差押えに係る金銭債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託しなければなりません(同法第156条第3項)。
(1) 差押債権者又はその法定代理人の住所又は氏名について秘匿決定がされたとき。
(2) 債務名義に差押債権者又はその法定代理人の住所又は氏名に係る代替事項が表示されているとき。
第2 秘匿決定がされた事件に関する供託事務の取扱い
1 供託の受理における事務の取扱いについて
(1) 供託書の取扱い
供託書には、供託者又は被供託者の氏名及び住所を記載しなければなりませんが(供託規則(昭和34年法務省令第2号。以下「規則」という。)第13条第2項第1号、第6号)、裁判上の保証供託の場合であって、供託者又は被供託者の氏名又は住所につき秘匿決定がされているときは、代替事項の記載をもってこれらに代えることができることとされます。
この場合には、供託書の備考欄に、供託者又は被供託者の氏名又は住所について秘匿決定がされている旨の記載を要します。
(2) 代理人の権限を証する書面の取扱い
供託者の氏名又は住所について供託書に代替事項が記載されている場合には、規則第14条第4項に規定する代理人の権限を証する書面(以下「代理権限証書」という。)と併せて、代替事項に係る氏名又は住所を明らかにする裁判所書記官作成の証明書を提示することを要します。ただし、委任による代理の場合であって、代理権限証書に供託者の氏名又は住所につき秘匿決定がされている旨が記載されている場合には、当該記載をもって、当該証明書に代えることができるものとされます。
(3) 電子情報処理組織による供託の取扱い
電子情報処理組織を使用して供託をする場合においても、上記(1)と同様に、申請書情報として、代替事項に係る情報を送信することができる(規則第39条第1項参照)ものとし、代理権限証書に代わるべき情報の取扱いについては、上記(2)と同様となります。
2 供託物の払渡しにおける事務の取扱いについて
(1) 供託物払渡請求書の取扱い
請求者が秘匿対象者である場合における供託物払渡請求書には、当該請求者の氏名及び住所を記載することを要します(規則第22条第2項第8号。なお、民事訴訟法第133条第5項の規定は、適用されない。)。
(2) 還付を受ける権利を有することを証する書面等の取扱い
還付を受ける権利を有することを証する書面又は取戻しをする権利を有することを証する書面として添付すべき書面(規則第24条第1項第1号、第25条第1項)に代替事項が記載されている場合には、当該書面と併せて、代替事項に係る氏名又は住所を明らかにする裁判所書記官作成の証明書を添付することを要します。
配当によって供託物の払渡しをすべき場合において、支払委託書(規則第27号書式から第28号の2書式まで)及び支払証明書(規則第29号書式)に代替事項が記載されている場合においても、同様とします。
3 閲覧又は証明の事務の取扱いについて
(1) 申請書の取扱い
供託に関する書類の閲覧の請求(規則第48条)又は供託に関する事項の証明の請求(規則第49条)の請求者が秘匿対象者である場合においても、申請書には、当該請求者の氏名及び住所を記載することを要します(規則第33号書式、第34号書式。なお、民事訴訟法第133条第5項の規定は、適用されない。)。
(2) 供託につき利害の関係があることを証する書面の取扱い
(1)の請求者が供託につき利害の関係を有することを確認するために必要なときは、代替事項に係る氏名又は住所を明らかにする裁判所書記官作成の証明書を添付することを要します。
1のつづき
(1)②について記載します。
閲覧等の制限の決定で秘匿されることになる事項(情報)は、
① 秘匿決定の対象となっている秘匿事項
② 秘匿事項を推知させる事項 が記載等されている部分の閲覧等を制限 です。
※ 閲覧等の制限の決定をするには、秘匿決定が必要です。
住所等の推知事項は受診した近隣の医療機関名や、子が通う学校名などです。
氏名等の推知事項は親族の氏など。(申立て等をする者を特定しないために氏名を秘匿しているケース)
※ 閲覧等制限決定は、上記①及び②の秘匿事項・推知事項が記載等されている「部分」を対象に、発令されます。
例えば、第1準備書面と第2準備書面に、推知事項(ex 子が通う学校の具体的な名前)が記載されている場合に、閲覧等を制限するには、それぞれの記載につき閲覧等の制限の決定が必要です。第1準備書面につき閲覧等の制限の決定があった後に、第2準備書面を提出しても、決定がない限り、閲覧等の制限はされません。
閲覧等の制限の決定の審理等について
申立ては閲覧等の制限の対象となる部分を特定し、マスキング書面を提出して、申立てをします(規52の11)。
※ 決定の判断が出るまでの申立てがあった部分については他の当事者等の閲覧等は制限されます。
閲覧等制限の決定
閲覧等を制限する部分につき、閲覧等の制限の決定がされます。
当事者等が、主張書面や陳述書等の証拠を提出するに際しては、自分が提出すべきものに、秘匿事項や推知事項が表れないように注意する必要があります。
やむを得ず表れた秘匿事項等については、(申立てがないと、閲覧等の制限はできないので)、その提出の際に、当該記載部分を具体的に特定して、閲覧等の制限の決定の申立てをする必要があります(規52の11Ⅱ)。
※ 閲覧等の決定(認容決定)に、即時抗告はできません(取消請求で対応)。却下決定には、即時抗告が可能です。(法133の2Ⅱ)(法133の2Ⅱ~Ⅳ)
(2)①について記載します。
現行法では例えば、裁判所は、当事者又はその法定代理人に対して送達をするため、その者の住所、居所その他送達をすべき場所又はその者の氏名その他当該者を特定するに足りる事項についての調査を嘱託する場合がありますが、被告に訴状を送達するために、住所等が調査されても、被告は、訴状が送達されるまで、そもそも訴えの提起があったことを知らず、送達がされるまで、被告において、住所等につき秘匿決定の申立てをすることができません。
そこで、申立てがなくとも、裁判所が、職権で、送達のための調査嘱託の結果等の閲覧等の制限を可能とする仕組みを創設しました。
要件としては、
当事者又はその法定代理人に対し送達をするため、その者の住所等・氏名等の調査嘱託をした場合に、当該嘱託の結果の報告が記載された書面が閲覧されることにより、当事者又はその法定代理人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることが明らかであることです。
閲覧等の制限の対象は、
① 調査嘱託の結果が記載された書面
② ①の書面に基づいてされた送達に関する書面等 です。
※ 被告が訴状を受け取り、その訴訟の係属を知った後に出される答弁書や準備書面等の書類等について、被告が、閲覧等の制限を求めるには、被告において、秘匿決定や閲覧等の制限の申立てをする必要があります。(法133の3)
(3)①について記載します。
自己の住所、氏名を秘匿したまま強制執行の申立てが可能となります。例えば、原告の住所、氏名につき代替事項が記載されているケースでは、その代替事項を強制執行の申立書の債権者欄に記載することができます。
民事執行の手続における秘匿決定・閲覧等の制限の決定
民事執行の事件記録につき、閲覧等の制限を求めるためには、改めて、秘匿決定と閲覧等の制限の決定が必要です。
代替事項が記載された判決に基づく強制執行手続も同じです。代替事項と異なり、判決手続の秘匿決定の効果は、判決手続限りです。
供託命令の規定の整備
債権の差押えでは、最終的に、債権者が、第三債務者から、取立てをしますが、差押命令の債権者欄に代替事項が記載されていると、差押命令からは、第三債務者に債権者が誰かわからず弁済できません。
よって改正により裁判所は、秘匿決定に係る差押債権者の申立てにより、差押えに係る金銭債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託すべきことを第三債務者に命ずることができるようになります。
第三債務者は、供託命令があれば、それに従って、供託をし、債権者は、供託所から支払を受けます。これにより第三債務者に対し、債権者が、その住所、氏名を知らせないまま、取立てが可能となります。
※ 債権者の代理人である弁護士、司法書士が、代理権(弁済受領権)を証明して、債権者の氏名、住所を知らせないまま、直接第三債務者から取り立てる方法をとることも妨げられません。(民執法20、法133~133の4)(民執法161の2、156Ⅲ等)
家事事件の手続と秘匿決定
民事訴訟と同様に、家事事件についても、申立て等をする者及びその法定代理人の住所・氏名を申立書に記載しないことを可能とする秘匿決定の制度が導入されます。
秘匿決定の効果としては、
① 秘匿決定において定めた住所又は氏名の代替事項を記載すれば、真の住所又は氏名の記載は不要です。
② 他の当事者等による秘匿事項届出書面の閲覧等は制限されます。
※ 閲覧等の制限の決定の制度は、家事事件には、導入していません。閲覧等の制限は、既存の家事事件の閲覧等の許可の制度(家事法47、254等)での対応となります。
代替事項の効果の範囲としては(家事法38の2)
家事事件における代替事項は、強制執行等に関する手続のほか、これら以外の裁判手続であっても代替事項の定めの目的に反しない限り、その効果は及びます。
ex. 家事調停の手続における代替事項は、移行後の家事審判の手続にも効力が及びます。
後見開始事件の手続における代替事項は、成年後見人解任などの関連する事件の手続にも効力が及びます。
本案事件における代替事項は、当該事件の履行勧告・履行命令の手続にも効力が及びます。
※ 代替事項の効果は、裁判手続の関係にしか及びません。
戸籍や後見登記等の記載について代替事項を記載することはできません。
※ 人事訴訟については、事実の調査部分を除き、民事訴訟の規律が適用されます。
当事者等がDVや犯罪の被害者等である場合に、その住所、氏名等の情報を相手方に秘匿したまま民事訴訟手続を進めることができるようになります。
これまでは、訴状には、原告の住所・氏名を記載しなければならないなど、申立書には申立てをする者の住所・氏名の記載が要求されますし、裁判所からの書類等を受け取るために、送達先(ex. 住所)の届出をしなければなりませんでした。
また、だれでも訴訟記録の閲覧をすることができ、当事者に対して訴訟記録の閲覧を制限することを認める規定はありませんでした。
これでは、性犯罪の被害者が、加害者に対し、自己の氏名等を知られることをおそれ、損害賠償を請求する訴えを躊躇するおそれがあり、また 審理の過程で、DV等の被害者の現在の住所が記載された書面等が提出されても、これを加害者に秘匿することができません。
それらを解決するため住所、氏名等の秘匿制度が創設されます。
施行日は令和5年2月20日です。
概要は以下のとおりです
(1)申立てによる秘匿決定・閲覧等の制限の決定の制度(申立による)
①当事者等の住所等・氏名等を訴状等に記載しないことなどを可能とする秘匿決定の制度
② 秘匿事項(当事者等の住所等・氏名等)や、その推知事項の閲覧等制限決定の制度
(2)調査嘱託結果の閲覧等の制限(裁判所の職権による)
①裁判所が、職権で、送達のための調査嘱託の結果等の閲覧等の制限をすることを可能とする制度
(3)その他(強制執行の見直し)
①原告がその氏名等を秘匿したまま支払を受けることを可能とするために、供託命令の規定を整備
以下(1)①について記載します。
秘匿決定の対象となる情報 は「申立て等をする者又はその法定代理人」の「住所等」と「氏名等」です。(法133条第1項)
「申立て等をする者」とは原告、被告、当事者参加人、補助参加人など
「法定代理人」とは親権者など です。
「住所等」とは住所、居所、その他その通常所在する場所(ex. 職場)
「氏名等」とは氏名その他その者を特定するに足りる事項(ex. 本籍) です。
秘匿決定の対象となる情報ではないものとしては、
証人の住所等、氏名等、申立て等をする者の親族(法定代理人を除く。)の住所等、氏名等です。
ただし申立て等をする者等の住所等・氏名等が知られることにより、その「親族」に対して加害行為や畏怖困惑行為がされるおそれ等があり、その親族と申立て等をする者等との関係から、「申立て等をする者」等に社会生活上著しい支障が生ずるおそれがあると認められるときは、秘匿決定は可能です。
秘匿決定の要件 (法133条1項)としては、
住所等又は氏名等が(他の)当事者に知られることによって、申立て等をする者又はその法定代理人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあること が必要です。(決定の発令段階では、立証の程度は、疎明で足ります。)
住所等のみ秘匿の例として配偶者暴力(DV)の被害者と加害者間の訴訟(被害者の現在の住所が知られ、被害者の身体等への更なる加害行為、被害者を畏怖・困惑させる行為がされるおそれがあるケース)があります。
住所等及び氏名等の秘匿の例として性犯罪の被害者と、その被害者の氏名を元々知らない加害者間の訴訟(被害者の氏名等が加害者に知られると、二次的な被害が生じ、被害者の立ち直りに著しい困難が生ずるおそれがあるケース)があります。
また、児童虐待やストーカー行為、反社会的勢力が問題となる訴訟などでも、秘匿決定が認められることがあるとのことです。
住所、氏名等の秘匿決定(手続)としては、
申立て等をする者又はその法定代理人が、秘匿決定の申立てをします。
申立てがないと、秘匿決定はされません。
申立てに際し、秘匿すべき事項(真の住所等、氏名等)の内容を記載した書面の届出をします。
秘匿決定の判断が出るまでの届出書面は他の当事者等は閲覧等が制限されます。
そして秘匿決定の要件を充たせば、秘匿決定がされます。秘匿決定では、秘匿される住所又は氏名につき代替事項が定められます。住所のみ、住所の一部のみの秘匿決定も可能です。(ex ●●県●●市(以下秘匿))
秘匿決定の効果としては
① 秘匿決定において定めた住所又は氏名の代替事項を記載すれば、真の住所又は氏名の記載は不要です。
② 他の当事者等による秘匿事項届出書面の閲覧等は制限されます。
③ 訴訟記録中の他の秘匿事項・推知事項の記載部分の閲覧等の制限申立て・決定が可能となります。
代替事項の効果と範囲としては、
代替事項が記載された訴状(の副本)が送達されれば、送達は有効です。代替事項が記載された判決に基づき、強制執行が可能です。
また代替事項の定めの効果は、「当該事件並びにその事件についての反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する手続」に及ぶほか、(これらは例示であり、)これら以外の裁判手続であっても代替事項の定めの目的に反しない限り、その効果は及びます。
次回に続きます。