改正法において、定款の定めに基づき、株式会社の取締役が株主総会資料(種類株主総会資料を含む。)の内容である情報を自社のホームページ等のウェブサイトに掲載し、株主に対して当該ウェブサイトのアドレス等を株主総会の招集の通知に記載等して通知した場合には、株主の個別の承諾を得ていないときであっても、取締役は、株主に対して株主総会参考書類等を適法に提供したものとする電子提供措置の制度(以下「電子提供制度」という。)が創設されました(会社法第325条の2から第325条の7まで)。
電子提供措置に関する登記の手続き
(1)株式会社の設立の登記
定款に電子提供措置をとる旨の定めのある株式会社の設立の登記においては、その旨も登記すべき事項となり、登記記録の商号区に記録されます。
(2)電子提供措置をとる旨の定款の定めの設定による変更の登記
ア 登記の期間
(ア)施行日において振替株式を発行している会社
施行日において振替株式を発行している会社については、施行日をその定款の変更の効力が生ずる日とする電子提供措置をとる旨の定款の定めを設ける定款の変更の決議をしたものとみなすとされたところ(整備法第10条第2項)、当該会社は、施行日より前にあらかじめ電子提供措置をとる旨の定款の定めを設ける定款の変更に係る株主総会の決議をした場合も含めて、施行日から6か月以内に、その本店の所在地において、電子提供措置をとる旨の定款の定めの設定による変更の登記をしなければなりません。(整備法第10条第4項)。
なお、当該会社は、施行日から上記電子提供措置をとる旨の定款の定めの設定による変更の登記をするまでに他の登記をするときは、当該他の登記を同時に、電子提供措置をとる旨の定款の定めの設定による変更の登記をしなければなりません。(整備法第10条第5項)。
(イ)上記(ア)以外の株式会社
株主総会の決議により定款を変更して、電子提供措置をとる旨の定款の定めを設定したときは、当該定款の変更の効力の発生日から2週間以内に、その本店の所在地において、電子提供措置をとる旨の定款の定めの設定による変更の登記をしなければなりません(会社法第911条第3項第12号の2、第915条第1項)。
イ 登記すべき事項
登記すべき事項は、電子提供措置をとる旨の定款の及び変更年月日です。
ウ 添付書面
(ア)施行日おいて振替株式を発行している会社
当該会社が施行日において振替株式を発行している会社であることを証する書面であり、具体的には、当該株式式会社の代表者の作成に係る証明書です。
(イ)上記以外の株式会社
株主総会議事録並びに株主リストです。
エ 登録免許税
申請1件につき3万円です(別表第一第24号(一)ツ)。
オ その他
公開会社でない会社又は株券発行会社から、上記ウ(ア)に掲げる書面を添付して電子提供措置をとる旨の定款の定めの設定による変更の登記の申請がされた場合には、当該申請は却下されます。(振替法第128条第1項、商業登記法第24条第8号)。
支店の所在地における登記の廃止
支店の所在地における登記手続きは会社の負担軽減の観点から廃止されました。
したがって支店の登記記録は登記官によって閉鎖されます。(改正省令附則第2項、第3項)。
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